現代のビジネス環境において、ブランド戦略の重要性が高まっています。特に、企業と顧客とのコミュニケーションを通じてブランド価値を高める「ブランドコミュニケーション」が注目を集めています。しかし、ブランドコミュニケーションとは具体的にどのような取り組みを指すのでしょうか。また、それがなぜ企業にとって重要なのでしょうか。
本記事では、ブランドコミュニケーションの基本的な概念から、具体的な施策例、そしてブランディングとの違いまで、詳しく解説していきます。ブランド戦略に取り組む際の指針として、ぜひ参考にしてください。
ブランドコミュニケーションとは?
ブランドコミュニケーションとは、自社のブランドイメージや価値観を顧客に伝えるための、あらゆるコミュニケーション活動を指します。具体的には、広告やPR、SNSでの情報発信、イベントの開催など、顧客接点のあるすべてのシーンがブランドコミュニケーションの機会といえるでしょう。
ただし、ここで重要なのは、ブランドコミュニケーションが一方的な情報発信ではないということです。顧客との双方向のやり取りを通して、ブランドへの理解や共感を得ることが求められます。
つまり、ブランドコミュニケーションとは、企業と顧客との対話を通じて、ブランド価値を高めていくための取り組みなのです。
ブランドコミュニケーションの目的
ブランドコミュニケーションには、大きく分けて3つの目的があります。
まず、自社のブランドを多くの人に知ってもらうこと。
そして、ブランドに対する好感度や信頼感を高め、リピーターを増やすこと。
最終的には、ブランドへの共感が購買行動につながることを目指します。
ここで重要なのは、ブランドコミュニケーションが短期的な売上アップだけでなく、長期的なブランド価値の向上を目的としている点です。一時的な販促活動ではなく、ブランドとしての存在価値を高めていくための取り組みだと理解しておきましょう。
ブランドコミュニケーションのメリット
それでは、ブランドコミュニケーションを行うことで、企業にどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは代表的な4つのメリットを解説します。
ブランド認知度の向上
積極的なブランドコミュニケーションは、自社のブランドを多くの人に知ってもらうための有効な手段です。広告やSNSでの情報発信、口コミなどを通じて、ブランドの露出機会を増やすことができます。
ブランド認知度が高まれば、潜在顧客の獲得にもつながります。商品やサービスを検討する際、まず思い浮かぶのは認知度の高いブランドだからです。
ここで重要なのは、ただ知名度を上げればいいわけではないということです。自社のブランドイメージにふさわしい形で、戦略的にブランド認知度を高めていく必要があります。
顧客ロイヤルティの構築
ブランドの価値観やストーリーを丁寧に伝えることで、顧客との情緒的なつながりを築くことができます。機能的なベネフィットだけでなく、ブランドの背景にある想いに共感してもらえれば、顧客はブランドに対してロイヤルティを感じるようになります。
顧客ロイヤルティが高まれば、リピート購入や口コミ効果も期待できます。ブランドを愛するファンを増やすことは、長期的な売上の安定につながるでしょう。
ただし、ロイヤルティの構築には一朝一夕ではいきません。顧客との継続的なコミュニケーションを通じて、信頼関係を築いていく必要があります。
価格競争の回避
強いブランド力があれば、価格だけでは決められない付加価値を提供できます。顧客がブランドに対して情緒的な結びつきを感じていれば、多少価格が高くても購入してもらえる可能性が高くなります。
つまり、ブランドコミュニケーションによって、価格競争に巻き込まれるリスクを回避できるのです。同業他社との差別化を図り、価格以外の要素で顧客を引き付けることが重要だといえるでしょう。
とはいえ、「高いブランド」というイメージを築くのは容易ではありません。ブランドの持つ価値を、顧客に納得してもらえるだけの説得力を持って伝える必要があります。
コスト削減
ブランド認知度が向上し、顧客ロイヤルティが構築されれば、新規顧客の獲得コストを削減できる可能性があります。わざわざ高価な広告を打たなくても、口コミや紹介などで自然と顧客が集まるようになるからです。
また、リピーターを増やすことで、顧客一人あたりの生涯価値(LTV)を高められます。新規顧客の獲得よりも、既存顧客を維持する方がコストを抑えられるのは広く知られた事実です。
ただし、コスト削減を目的としたブランドコミュニケーションでは本末転倒です。あくまでも、ブランド価値を高めることが目的であり、コスト削減はその結果として付いてくるものだと考えましょう。
ブランドコミュニケーションの注意点
ブランドコミュニケーションを効果的に進めるためには、いくつかの注意点があります。ここでは、その主要なポイントを解説します。
ブランドアイデンティティの確立
ブランドコミュニケーションを始める前に、自社のブランドアイデンティティを明確に定義することが重要です。ブランドの価値観、ミッション、ビジョン、パーソナリティなどを明文化し、組織内で共有しておく必要があります。ブランドアイデンティティが曖昧だと、一貫性のないコミュニケーションになってしまう恐れがあります。ブランドの根幹となる部分を明確にしてから、具体的な施策を考えていきましょう。
ターゲット選定の重要性
ブランドコミュニケーションを効果的に行うには、ターゲットの選定が重要です。自社のブランドにとって、最も重要な顧客層はどこなのかを見極める必要があります。ターゲットを明確にすることで、そのニーズや嗜好に合わせたコミュニケーションが可能になります。ターゲットの属性や行動パターン、メディア接触傾向などを詳細に分析し、最適なアプローチ方法を検討しましょう。
ただし、ターゲットを絞りすぎるのも危険です。特定の層にのみフォーカスすると、ブランドの成長が限定的になってしまう恐れがあるからです。ターゲットを定めつつも、柔軟性を持つことが大切だと言えます。
一貫性のあるメッセージング
ブランドコミュニケーションでは、発信するメッセージに一貫性を持たせることが何よりも重要です。広告、ウェブサイト、SNS、店頭など、あらゆる接点で同じメッセージを伝えることが求められます。異なるメッセージをバラバラに発信してしまうと、ブランドイメージが散漫になり、顧客の混乱を招きます。ブランドの価値観を体現し、ターゲットに響くメッセージを開発し、一貫して発信し続けましょう。
画一的なメッセージの繰り返しは逆効果になることもあるため、ある程度の一貫性は保ちつつも、柔軟にアレンジを加えることも必要でしょう。
チャネル選択の最適化
ブランドコミュニケーションを行う際には、チャネル選択にも注意が必要です。テレビ広告、雑誌、ウェブ広告、SNSなど、様々な選択肢がある中で、自社のブランドにとって最適なチャネルを選ぶ必要があります。ターゲットとなる顧客層が、どのようなメディアに接触しているのかを分析することが重要。その上で、予算や目的に合わせて、最適なチャネルをミックスしていきましょう。
チャネルを多様化しすぎるのは逆効果になる場合もあるため、限られたリソースを、本当に効果の高いチャネルに集中投下することが重要です。
効果測定の実施
ブランドコミュニケーションを継続的に改善していくためには、効果測定が欠かせません。認知度、好感度、購入意向など、様々な指標を設定し、定期的にモニタリングすることが重要です。効果測定の結果を分析することで、施策の改善点や新たな気づきが得られるはずです。PDCAサイクルを回しながら、ブランドコミュニケーションの精度を高めていきましょう。
測定にあたっては、短期的な売上などの定量的な指標だけでなく、ブランドイメージなどの定性的な側面にも目を向けることが大切です。ブランドの価値は、数字だけでは測れない部分もあることを忘れてはいけません。
ネガティブな反応への対応
ブランドコミュニケーションを行う中では、ネガティブな反応が寄せられることもあるでしょう。特にSNSでは、批判的なコメントが拡散されやすい傾向にあります。そうした場合でも、慌てずに冷静に対応することが重要です。無視をしたり、感情的な反論をしたりするのは得策ではありません。ブランドの立場を丁寧に説明しつつ、真摯な姿勢で対話を重ねることが求められます。
また、寄せられた意見を真摯に受け止め、業務改善につなげていく柔軟性も必要です。ネガティブな反応にも耳を傾けることで、ブランドの成長機会を見出せるかもしれません。
法的・倫理的配慮
ブランドコミュニケーションを行う際には、法的・倫理的な配慮も欠かせません。景品表示法や著作権法など、関連する法規制を遵守することが大前提です。また、環境保護や人権尊重など、社会的な課題にも配慮が必要です。ブランドイメージを損ねかねない不適切な表現や行為は厳に慎まなければなりません。
ブランドの価値観と社会的責任が両立するコミュニケーションを心がけることが、長期的な信頼の獲得につながるでしょう。
以上、ブランドコミュニケーションを進める上での主な注意点を見てきました。これらのポイントを押さえつつ、自社のブランドに合ったアプローチを模索していくことが重要です。
ブランドコミュニケーションの施策例
それでは、ブランドコミュニケーションを実践するための具体的な施策例を見ていきましょう。参考事例を交えながら、どのような施策が考えられるか解説していきます。
SNSを活用した双方向のコミュニケーション
SNSを活用することで、企業と顧客の間に双方向のコミュニケーションを築くことができます。企業からの一方的な情報発信ではなく、顧客の声に耳を傾け、対話を重ねることが重要です。
Twitterの公式アカウントで、ハッシュタグキャンペーンを実施し、ユーザー参加型のコンテンツ創造を促進。顧客との一体感を醸成しながら、フォロワーからの質問や意見に丁寧に返信することで、ブランドへの親近感を高めています。こうした活動により、ブランドの露出拡大にも成功している企業は多いでしょう。
ストーリー性のあるコンテンツの発信
ブランドが持つストーリーや世界観を、魅力的なコンテンツとして発信することも効果的です。単なる商品訴求ではなく、ブランドの背景にある価値観やこだわりを伝えることで、顧客の共感を呼ぶことができるでしょう。
コンテンツの形式は、動画、記事、写真など様々です。自社の強みを活かせる方法で、ストーリーを紡ぎ出していくことが大切です。
インフルエンサーとのコラボレーション
ブランドが持つストーリーや世界観を、魅力的なコンテンツとして発信することも効果的です。単なる商品訴求ではなく、ブランドの背景にある価値観やこだわりを伝えることで、顧客の共感を呼ぶことができるでしょう。
コンテンツの形式は、動画、記事、写真などさまざまです。自社の強みを活かせる方法で、ストーリーを紡ぎ出していくことが大切です。
イベントやキャンペーンの実施
オフラインでのイベントやキャンペーンを実施することで、顧客にブランド体験を提供することができます。商品やサービスを実際に試してもらう機会を創出し、ブランドの魅力を直接伝えるのです。
また、イベントやキャンペーンを通じて、顧客とのエンゲージメントを高められる点も大きなメリットです。顧客との対話や交流を通じて、ブランドへの愛着を深めてもらうことができるでしょう。
ブランドアンバサダープログラムの活用
ブランドの熱心なファンをアンバサダーに任命し、ブランド発信者として活躍してもらう施策も有効です。アンバサダーは、SNSでの情報発信やイベント参加など、様々な形でブランドの魅力を伝える役割を担います。
企業とアンバサダーが協働することで、ブランドメッセージの拡散力を高められます。また、アンバサダーの口コミは、企業からの発信よりも信頼性が高いと捉えられることも多く、効果的なブランディング施策となるでしょう。
社会貢献活動を通じたブランディング
企業の社会的責任(CSR)を果たす取り組みは、ブランドイメージの向上にも寄与します。自社の事業領域に関連した社会課題の解決に取り組むことで、ブランドの存在意義を示すことができるのです。
環境保護や教育支援など、様々な分野での活動が考えられます。大切なのは、自社の価値観と合致したテーマを選び、本気で取り組むこと。表面的なイメージ作りに終始せず、真摯な姿勢で臨むことが求められます。
顧客体験の設計
店舗やウェブサイトなど、顧客がブランドと接する様々な接点での体験を、トータルにデザインすることも重要です。購買前から購買後まで、一貫した体験を提供することで、ブランドへの好感度を高められます。
例えば、店舗での接客やレイアウト、ウェブサイトのユーザビリティなど、あらゆる場面での顧客体験を、ブランドコンセプトに合わせて最適化していくのです。
7つの施策例を見てきました。いずれの施策も、自社のブランド価値を効果的に伝えるための有効な手段と言えるでしょう。
ただし、これらはあくまで一例に過ぎません。大切なのは、自社のブランドの個性や強みを見極め、それを最大限に活かすための施策を考えることです。他社の成功事例を参考にしつつも、画一的なマネをするのではなく、自社オリジナルのブランドコミュニケーションを模索していきましょう。
ブランドコミュニケーションとブランディングの違い
ここまで、ブランドコミュニケーションについて詳しく見てきましたが、よく混同されるのが「ブランディング」という言葉です。両者は密接に関係していますが、明確な違いがあります。
ブランディングとは、企業が目指すブランドイメージを確立するための活動全般を指します。具体的には、以下のような取り組みが含まれます。
・企業理念や価値観の明確化
・ロゴやデザインの刷新
・商品/サービス品質の向上
つまり、ブランディングは「どのようなブランドを目指すのか」という戦略の策定と、それを実現するための基盤づくりといえるでしょう。
一方、ブランドコミュニケーションは、ブランディングで確立したブランド戦略を、具体的にどのように顧客に伝えていくかを考える活動です。ブランディングが内部に向けた取り組みであるのに対し、ブランドコミュニケーションは外部との接点に重きを置いているのです。
したがって、ブランドコミュニケーションはブランディングの一環として位置づけることができます。ブランドコミュニケーションの成果は、ブランディングの成否に大きく影響すると言っても過言ではありません。
一例ですが、無印良品は、「素材の選択」「工程の点検」「包装の簡略化」という3つの基本原則を掲げ、シンプルで質の高い商品づくりを追求してきました。これは、同社のブランディング戦略そのものです。
そして、この戦略を実現するための施策、例えば店舗での商品陳列や、ミニマルなパッケージデザインなどは、まさにブランドコミュニケーションに当たります。無印良品の価値観を、顧客に対して体験的に伝える取り組みだと言えるでしょう。
このように、ブランディングとブランドコミュニケーションは、車の両輪のような関係にあるのです。両者が連動して機能してこそ、強固なブランド構築が可能になります。
ブランディングの定義と目的
改めて、ブランディングの定義と目的を確認しておきましょう。
ブランディングとは、企業が目指すブランドイメージを確立し、それを内外に浸透させるための活動全般を指します。その目的は、以下の3つに集約できます。
・ブランドの差別化
・ブランドの価値向上
・ステークホルダーとの関係構築
自社のブランドを競合他社と差別化し、顧客に選んでもらえるブランドになること。ブランドの資産価値を高め、企業の収益力を向上させること。そして、顧客だけでなく、従業員や取引先など、すべてのステークホルダーとwin-winの関係を築くこと。
それがブランディングのゴールなのです。ロゴやデザインの変更だけがブランディングではありません。企業の根幹に関わる取り組みであることを理解しておきましょう。
ブランディングは、長期的な視点に立って、一貫性を持って進めていく必要があります。ブランドイメージを確立するには時間がかかりますし、一度築いたイメージを変えるのも容易ではありません。
だからこそ、ブランディングには経営層の強いコミットメントが不可欠です。トップの意思なくして、真の意味でのブランディングは実現できないのです。
日本の自動車メーカー、レクサスのブランディング戦略は参考になります。同社は、「高級車の常識を変える」という明確なビジョンを掲げ、その実現に向けて組織を挙げて取り組んできました。
品質へのこだわり、きめ細やかなカスタマーサービス、洗練されたデザインなど、あらゆる施策がビジョンに基づいて展開されています。そして、こうした努力の積み重ねが、レクサスを高級車市場における確固たるブランドへと成長させたのです。
レクサスの例が示すように、ブランディングは一朝一夕にはなしえません。しかし、ビジョンを持ち、それを実現するための戦略を着実に実行していくことで、どんな企業でも強いブランドを構築することができるはずです。
効果的なブランドコミュニケーションのポイント
最後に、効果的なブランドコミュニケーションを行うためのポイントをまとめておきましょう。
ターゲットの明確化
ブランドコミュニケーションを行う前に、自社のブランドにとって最も重要な顧客層を明確にしておく必要があります。ターゲットとなる顧客の属性や価値観、ライフスタイルなどを詳細に分析し、ペルソナを設定しましょう。
ターゲットを絞ることで、よりパーソナライズされたコミュニケーションが可能になります。顧客のニーズや課題に寄り添ったメッセージを発信することで、ブランドへの共感を得られるはずです。
例えば、アウトドアブランドのスノーピークは、ターゲットを自然と寄り添うアウトドアライフを楽しむ大人に設定しています。その上で、キャンプ初心者から上級者まで、それぞれのレベルに合わせた商品提案や情報発信を行うことで、ブランドへの支持を獲得しているのです。
一貫したメッセージの発信
ブランドコミュニケーションでは、発信するメッセージに一貫性を持たせることが何よりも大切です。ブランドの価値観や個性を体現するようなメッセージを、わかりやすく伝えることを心がけましょう。
例えば、ユニクロの「LifeWear」は、同社のブランドメッセージを端的に表現したコンセプトです。顧客の生活を快適で豊かにするような、機能的でデザイン性の高い服を提供する想いが込められています。
このメッセージは、店舗での商品陳列から、広告、ウェブサイトに至るまで、あらゆる顧客接点で一貫して発信されています。こうした努力により、ユニクロは「LifeWear」というコンセプトを通して、ブランドの価値観を顧客の心に深く刻み込んでいるのです。
継続的な取り組み
ブランドコミュニケーションは一過性の活動ではありません。ブランドイメージを構築し、それを維持・向上させるには、継続的な取り組みが欠かせません。
短期的な売上目標に捉われるのではなく、長期的な視点でブランド価値を高めていく姿勢が重要です。一貫したメッセージを繰り返し発信し、顧客との関係性を築いていくことが求められるのです。
例えば、資生堂は「美しい生活文化の創造」を企業のミッションに掲げ、100年以上にわたってブランドコミュニケーションを続けてきました。時代とともに変化する美意識や価値観を捉え、常に革新的な商品・サービスを提供し続けることで、グローバルな化粧品ブランドとしての地位を確立しているのです。
組織全体での取り組み
効果的なブランドコミュニケーションを行うには、組織全体で取り組む必要があります。ブランドメッセージを発信するのはマーケティング部門だけではありません。顧客接点のあるすべての部門が、ブランドの価値観を体現する必要があるのです。
トヨタ自動車は、「お客様第一」「品質第一」という価値観を全社で共有し、あらゆる業務プロセスに反映させています。例えば、販売店では「お客様の笑顔のために」をモットーに、きめ細やかなカスタマーサービスを提供。品質管理部門では「品質は工程でつくり込む」の精神に基づき、高品質な車づくりを追求しています。
このように、組織のあらゆる部門がブランドの価値観を体現することで、トヨタは「信頼のブランド」としてのイメージを確立しているのです。
PDCAサイクルの実践
ブランドコミュニケーションの効果を高めるには、PDCAサイクルを回すことが重要です。Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のプロセスを繰り返し、継続的な改善を図っていきましょう。
例えば、花王は「すべての仕事の起点は生活者」の発想に基づき、常に顧客のニーズや課題を捉えることを重視しています。商品開発から販促活動に至るまで、PDCAサイクルを回すことで、顧客視点でのブランドコミュニケーションを実践しているのです。
具体的には、商品の使用実態調査や、顧客の声の収集・分析を通じて、課題を抽出(Check)。そこから得られた気づきを次の施策に活かし(Act)、改善を重ねることで、常に顧客に寄り添ったブランドコミュニケーションを実現しています。
こうしたPDCAサイクルの実践は、ブランドコミュニケーションを形骸化させない上で、非常に重要な取り組みだと言えるでしょう。
まとめ
ブランドコミュニケーションは、企業がブランド戦略を実現するための重要な取り組みです。自社のブランド価値を高め、顧客との絆を深めるためには、効果的なブランドコミュニケーションが欠かせません。本記事では、ブランドコミュニケーションの基本的な考え方から、具体的な施策例、ブランディングとの違いまで、幅広く解説してきました。
ブランド戦略の成否は、ブランドコミュニケーションにかかっていると言っても過言ではありません。自社のブランドの現状を見つめ直し、効果的なブランドコミュニケーションの実践に向けて一歩を踏み出してみませんか。決して容易な取り組みではありません。トライ&エラーを繰り返しながら、自社に合ったやり方を模索していく必要があるでしょう。
ブランドコミュニケーションに正解はありません。自社のブランドと真摯に向き合い、創意工夫を重ねていくことが、成功への近道。自社のブランドを育て上げるために、新たな一歩を踏み出すのは今かもしれません。ブランドコミュニケーションの可能性を信じて、ぜひトライしてみてください。
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